更年期障害にはどんな症状があるの?代表的な9つの症状を解説

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更年期は加齢によって女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少し、自律神経が乱れることで、さまざまな不調が起こります。では、具体的にどんな症状が起こるのでしょうか。そこで今回は、更年期の代表的な9つの症状についてお話ししていきます。

更年期症状は個人差が大きい

更年期の症状は200種類以上といわれるほど多種多様です。症状の現れ方や強さも人によって大きく異なり、複数の症状が現れたり、日によって異なる症状が出ることも。なかでも、日常生活に支障をきたすほど重いものを「更年期障害」と呼びます。更年期によくみられる症状には次のようなものがあります。

更年期に起こる代表的な9つの症状

ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)・発汗

ホットフラッシュ_女性急に顔が熱くなったり、体がほてって汗が止まらなくなる「ホットフラッシュ」は、更年期の代表的な症状の一つ。エストロゲンの減少により自律神経のバランスが崩れて、血管の拡張・収縮のコントロールがうまくいかなくなり、血行が悪くなることが原因です。症状を改善するためには、ストレスや疲労の蓄積、睡眠不足などに注意して、自律神経のバランスを整えることが大切です。

 

 

 

疲れやすい・だるさ・倦怠感

体がだるくて疲れやすい、何もする気が起きない……。これもホルモンバランスが崩れることで起こる更年期の症状の一つです。疲れたときは無理せず、休んだり、趣味を楽しんだりして心身のリフレッシュを心がけて。ただし、何事にも興味がわかない、無気力といったうつ状態がみられる場合は、早めに婦人科や精神科に相談してください。

 

 

 

冷え

冷え_女性もともと冷え性は女性に多くみられますが、更年期になるとさらに症状が強くなる人がいます。これも自律神経の乱れによる血行不良が原因。冷えを改善するには、厚着をしたり、カイロを使ったりして体を外側から温めるだけでなく、ウォーキングなど軽い運動をして体を動かしたり、ぬるめのお湯につかって入浴するなどして、血行を促進するのが効果的です。

 

 

 

頭痛・頭が重い

頭痛_女性慢性的な頭痛に悩まされている女性は少なくありませんが、更年期になってから症状が現れたり、悪化する場合も。ただ、更年期症状としてではなく、高血圧や脳の病気などが原因で頭痛が生じている可能性もあるので、一度検査するようにしましょう。

 

 

 

 

動悸・息切れ

動悸_女性

激しい運動をしたわけでもないのに、急に胸がドキドキして呼吸が苦しくなる……。こうした更年期に起こる動悸や息切れは、エストロゲンの減少により、心臓などの働きを調節する自律神経が乱れるために起こります。ただ、心臓の病気によって動悸や息切れが起こっている場合もあるので、一度検査を受けておくと安心です。

 

 

 

めまい・耳鳴り

めまい_女性更年期になると、めまいや耳鳴りが起こりやすくなる人もいます。特に体がふわふわと浮いた感じがする「浮動性」のめまいがよくみられます。ただし、高血圧や脳の病気、メニエール病などの病気が隠れている可能性があるので、症状が重い場合は受診を。

 

 

 

 

イライラ・不安感

イライラ_女性ささいなことでイライラしたり、不安になったり、感情の起伏が激しく情緒不安定になる……。更年期はこうした精神症状も起こりやすくなります。エストロゲンは精神の安定に深く関係しているため、更年期を迎えてその分泌量が減ると、感情のコントロールが難しくなったりします。更年期は体の不調に加えて、家庭や仕事などさまざまなストレスや負担が増えやすい時期。趣味や自分に合ったリラックス方法で気分転換して、ストレスをためないように心がけて。それでも症状が治まらない場合は、婦人科や精神科に相談しましょう。

 

 

不眠

不眠_女性更年期になると寝つきが悪い、眠りが浅い、朝早く目覚めてしまうなど、不眠に悩まされる人が増えてきます。更年期症状のほてりや発汗、冷えが原因の場合もあれば、不安や抑うつなど精神症状に伴って不眠が生じているケースも。寝る前にストレッチなどで体に軽い疲労を与えたり、ぬるめのお風呂にゆっくりつかって体をリラックスさせると、眠りにつきやすくなる効果が期待できます。それでも眠れないときは婦人科や精神科を受診してください。

 

 

肩こり・腰痛

肩こり_女性更年期になってから肩こりや腰痛が悪化するというケースも少なくありません。原因はエストロゲンの減少により自律神経が乱れて、血液循環が悪くなること。また、加齢による首や肩、腰回りの骨の老化も一因です。それ以外では、高血圧や脳の病気、眼精疲労でこりや痛みが起こる場合もあるので、症状がひどいなら検査したほうがいいでしょう。

 

 

 

 

自己判断は禁物!不調は病気のサインかも

女性医師_注意更年期に現れる不調がすべて更年期症状とは限りません。加齢や長年の生活習慣が原因で、何らかの病気のサインとして症状が現れている可能性もあるからです。(女性ホルモン低下が影響?更年期以降に気をつけたい病気)
更年期は生活習慣病などさまざまな病気のリスクが高まる時期でもあります。この時期に起こる不調や異変をすべて更年期症状と自己判断せず、早めに病院を受診するようにしてください。

 

 

 

<参考>
池下育子・野末悦子監修『女性の医学百科』主婦の友社、2004年
石河亜紀子ほか監修『からだのことがよくわかる女性の医学』池田書店、2005年
中村理英子『最新版 更年期からのクリニック』主婦と生活社、2004年

キッコーマンニュートリケア・ジャパン 40代からの輝きプロジェクト
(http://www.kagayaki-project.jp/)
厚生労働省 ヘルスケアラボ
(http://w-health.jp/)
武田コンシューマーヘルスケア ルビーナ
(http://rubina.jp/index.html)
一般社団法人日本女性医学学会
(http://www.jmwh.jp/)
バイエル薬品 更年期のココロエ
(http://konenkino-kokoroe.jp/)
久光製薬 エンジョイ エイジング
(http://www.hisamitsu.co.jp/hrt/index.html)
持田製薬 ワタシのカラダ相談室
(http://www.mochida.co.jp/woman/)

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