更年期をすこやかに過ごすために

更年期障害を和らげるために心がけたい4つの生活習慣

更年期障害は女性ホルモンの低下だけでなく、生活習慣などの環境的要因も深く関係しています。ストレスが多く、不規則な生活を送っていると、更年期症状の悪化を招く原因になりかねません。そこで今回は、更年期障害を緩和するために心がけたい4つの生活習慣についてお話しします。

【生活習慣その①】ストレスをためないようにする

リラックス_女性更年期症状は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少や自律神経の乱れによって起こります。症状が強く出る人とそうでない人がいますが、そこにはストレスが大きく関わっていると考えられています。
更年期はホルモン分泌や自律神経のバランスが不安定で、不調になりやすい時期。強いストレスは、自律神経をつかさどっている脳の視床下部に影響を与え、自律神経の働きを乱して、ますます不調が起こりやすくなってしまいます。

ストレスをためこみやすい、真面目で責任感が強い性格の人や、職場や家庭などで大きなストレスを抱えている人は、症状が強く出やすい傾向があるので要注意。趣味やスポーツなどでストレスを解消したり、アロマテラピーなどのリラックス法を試したり、自分に合った方法を見つけて、ストレスをためないように心がけましょう。

【生活習慣その②】栄養バランスのよい食事

食事制限_女性

バランスよく食べて体の調子を整えることは、更年期症状の緩和につながります。
また、更年期以降はエストロゲンの減少や基礎代謝の低下によって、肥満をはじめ、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、動脈硬化などのリスクが高まってきます。(女性ホルモン低下が影響?更年期以降に気をつけたい病気)

これらを予防するためには、まず間食を控えて食事は適量を心がけること。と同時に、塩分や脂肪、糖質の摂り過ぎにも注意してください。

 

更年期に特に摂りたい栄養素には、次のようなものがあります。日頃から意識して摂るようにしましょう。

カルシウム

カルシウム_食品更年期以降は骨を強くする作用を持つエストロゲンが減少するため、骨密度が低下して骨がもろくなる骨粗鬆症にかかりやすくなります。骨の材料になるカルシウムを積極的に摂り、骨の老化を抑えましょう。

 

 

 

ビタミンA・C・E

野菜_ビタミン

ビタミンA・C・Eには強い抗酸化作用があり、血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑えて、血管が硬く、もろくなる動脈硬化を防ぐのに役立ちます。

 

 

大豆イソフラボン

豆腐大豆や大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするといわれ、ホルモンバランスを整えて、更年期症状を改善する効果が期待できます。

 

 

 

【生活習慣その③】適度な運動を続ける

ウォーキング_女性適度な運動は自律神経を整えて、更年期症状を和らげるのに有効です。それと同時に、運動して筋肉が鍛えられると基礎代謝が上がって、体脂肪がたまりにくくなるため、肥満や生活習慣病の予防にもなります。また、運動をすると骨の新陳代謝が活発化されて骨が強くなるので、更年期以降の女性に急増する骨粗鬆症の予防にも役立ちます。

激しい運動をする必要はなく、ウォーキングなどの軽い運動を習慣づけることが大切です。それも難しいという方は、家事や日常生活のなかで体を動かすように意識しましょう。たとえば、エレベーターではなく階段を使う、大股で早歩きをするだけでも運動効果があります。

 

【生活習慣その④】規則正しい生活と十分な睡眠

早起き_女性睡眠不足は自律神経やホルモンバランスを乱れさせ、更年期症状を重くする要因になります。規則正しい生活を送り、体内リズムを整えて十分な睡眠をとることを心がけてください。また、夜寝る前のアルコール類やカフェインの摂取、スマホやパソコンなどの使用は、睡眠を妨げるので控えましょう。

 

 

長年の生活習慣を変えることは簡単ではないかもしれませんが、できることから少しずつ取り組んでいくことが大切です。更年期症状や病気を防ぎ、更年期以降の人生を健康的に過ごすためにも、まずは生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

 

<参考>
池下育子・野末悦子監修『女性の医学百科』主婦の友社、2004年
石河亜紀子ほか監修『からだのことがよくわかる女性の医学』池田書店、2005年
中嶋洋子監修『改訂新版 いちばん詳しくて、わかりやすい! 栄養の教科書』新星出版社、2016年
中村丁次監修『栄養の基本がわかる図解事典』成美堂出版、2015年
中村理英子『最新版 更年期からのクリニック』主婦と生活社、2004年

第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局「更年期障害の症状」
(https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/30_kounenki/)

更年期障害は食事で和らげる!積極的に摂りたい栄養素6つ

更年期は女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少し、自律神経が乱れることで、さまざまな症状が現れます。その更年期症状を悪化させる要因には、疲労やストレス、睡眠不足などさまざまなものが考えられますが、食事も気をつけたいポイントです。そこで今回は、更年期症状を和らげるための食事のコツや、積極的に摂りたい栄養素、おすすめレシピをご紹介します。

まずはバランスのよい食事で体の調子を整えよう

バランスのよい食事_女性ホルモンバランスや自律神経を整えて、更年期症状を緩和するためには、バランスよく食べることが大切です。たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をまんべんなく摂るようにしましょう。

また、更年期以降はエストロゲンの減少や基礎代謝の低下などによって、肥満になりやすく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクも一気に高まります。(女性ホルモン低下が影響?更年期以降に気をつけたい病気)食事は適量を心がけ、食べ過ぎや塩分・脂肪分の摂り過ぎにも注意してください。

 

更年期に積極的に摂りたい6つの栄養素

【骨粗鬆症の予防に】カルシウム・ビタミンD

更年期以降はエストロゲンの減少によって骨密度が低下するため、骨がもろくなる骨粗鬆症のリスクが急増します。骨粗鬆症を防ぐには、骨を強くするカルシウムを積極的に摂りましょう。

 

牛乳・チーズ

カルシウムを多く含む食品

牛乳やチーズなどの乳製品、干しエビ、イワシなどの小魚類、大豆、豆腐、水菜、菜の花、モロヘイヤ、ひじきなどの海藻類

 

 

 

また、カルシウムとあわせて摂りたいのがビタミンDです。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助けてくれます。

サケビタミンDを多く含む食品

サケ、サンマ、イワシ、しらす干し、アンコウの肝などの魚介類のほか、きくらげ、しいたけなどのきのこ類

 

 

 

秋鮭と茸のチーズ焼き★おすすめレシピ

秋鮭と茸のチーズ焼き

サケとお好みのきのこに、チーズをのせて焼くだけで簡単に作れる! カルシウムとビタミンDが一緒に摂れて、骨粗鬆症の予防にぴったりのメニューです。

出典:秋鮭と茸のチーズ焼き by *minachi* 【クックパッド】

 

【抗酸化作用で病気を防ぐ】ビタミンA・C・E

糖尿病や高血圧などの生活習慣病になると、血管の弾力性やしなやかさが失われて動脈硬化が起こりやすくなり、脳卒中や心筋梗塞などを発症するリスクが高まります。ビタミンA・C・Eには強い抗酸化作用があり、血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑えて、動脈硬化を防ぐ効果が期待できます。また、ビタミンCにはコラーゲンの合成を助ける働きがあり、加齢とともに衰えがちな皮膚や骨の強化にも役立ちます。

 

レバービタミンAを多く含む食品

レバー、あんこうの肝、うなぎ、モロヘイヤやかぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜、卵、牛乳、チーズなど

 

 

赤ピーマンビタミンCを多く含む食品

菜の花、赤ピーマン、じゃがいも、ブロッコリー、柿やネーブルオレンジ、キウイフルーツ、いちごなどの果実類

 

 

 

かぼちゃビタミンEを多く含む食品

キングサーモン、ウナギ、ツナ油漬け缶詰、子持ちガレイ、かぼちゃ、ひまわり油などの植物油、アーモンドなどの種実類など

 

 

 

★おすすめレシピかぼちゃとヨーグルトのサラダ

かぼちゃとヨーグルトのサラダ

かぼちゃとツナ、ブロッコリーを使っているので、ビタミンA・C・Eが一緒に摂れます。マヨネーズにヨーグルトを加えることでカロリーをカットし、ヘルシーに仕上げた一品。

出典:かぼちゃとヨーグルトのサラダ by ダイエットプラス 【クックパッド】

 

【エストロゲンの働きを補う】大豆イソフラボン

豆乳大豆や大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、エストロゲンに似た働きを持つとされ、ホルモンバランスを整えて、更年期症状の緩和が期待できます。

大豆イソフラボンを多く含む食品

大豆、大豆製品(豆腐、豆乳、納豆、おからなど)

 

 

 

★おすすめレシピマイルドカレー豆乳鍋

ほっこり☆マイルドカレー豆乳鍋

大豆イソフラボンがたっぷりの豆乳鍋。鶏肉、じゃがいも、にんじん、白菜、ブロッコリー、まいたけなど具材が豊富なので、たんぱく質やビタミン類もバランスよく摂れます。

出典:ほっこり☆マイルドカレー豆乳鍋 by アロハ55 【クックパッド】

 

 

更年期は病気のリスクも上昇!食生活の見直しを

女性医師_ポイント更年期は体調が変化しやすいだけでなく、加齢やエストロゲンの減少に伴ってさまざまな病気が増えてくる時期でもあります。更年期になって不調を感じるという方はもちろん、特にこれといった症状がないという方も病気の予防のために、今回ご紹介したポイントを押さえて、食生活の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

<参考>
池下育子・野末悦子監修『女性の医学百科』主婦の友社、2004年
石河亜紀子ほか監修『からだのことがよくわかる女性の医学』池田書店、2005年
中嶋洋子監修『改訂新版 いちばん詳しくて、わかりやすい! 栄養の教科書』新星出版社、2016年
中村丁次監修『栄養の基本がわかる図解事典』成美堂出版、2015年
中村理英子『最新版 更年期からのクリニック』主婦と生活社、2004年

更年期障害の緩和に役立つおすすめサプリ5選

ほてりやのぼせ、発汗などのホットフラッシュ、動悸、めまい、頭痛、イライラなど、更年期はさまざまな症状が起こります。こうしたつらい症状を和らげる方法として、サプリメントを活用してみるのも手です。ここでは、更年期障害の緩和に役立つおすすめのサプリ5選をご紹介します。

女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」配合のサプリ

更年期の不快症状は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因。大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た働きをするといわれ、乱れがちなホルモンバランスを整える効果が期待できます。

基本のサプリ|キッコーマン

 

キッコーマン_基本のサプリ

出典:基本のサプリ | サプリメント(からだ想い) | キッコーマンのオフィシャルオンラインショップ 健康こだわり便

 

大豆イソフラボンアグリコンぶどう種子ポリフェノールが、更年期で不安定になりがちな女性の体調をサポート。肌や骨の健康に関わるビタミンD3や葉酸など、日常生活で不足しがちな成分も補えます。

ターンライフ|DHC

 

DHC_ターンライフ

出典:ターンライフ 30日分|健康食品のDHC|DHC公式オンラインショップ

 

大豆イソフラボンやレッドクローバーエキス、プエラリアミリフィカなど植物由来の7つの成分を配合。体調が変化しやすい年代も、快適な毎日を送りたい女性におすすめです。

大豆イソフラボンEX|オルビス

 

オルビス_大豆イソフラボンEX

出典:【女性のリズムとバランスをサポート】大豆イソフラボンEX|女性の栄養不足に、安心品質のオルビス|ORBIS

 

大豆イソフラボンと6種の和漢植物エキスを凝縮した「美凛六草エキス」が、不安定になりがちな女性の体の働きを助け、健康バランスを整えます。

 

 

大豆イソフラボン由来の注目成分「エクオール」配合のサプリ

近年、大豆イソフラボンは、腸内細菌の働きで「エクオール」という成分に変わることで、より力を発揮することがわかってきました。しかし、そのエクオールは日本人女性の2人に1人しか体内で産生できないといわれています。エクオール配合サプリなら、体質や腸内環境に左右されず、エクオールを直接摂取することができます。

 

エクエル|大塚製薬

 

大塚製薬_エクエル

出典:エクオール含有食品 / エクエル | 【大塚製薬の公式通販】オオツカ・プラスワン

 

合成・抽出・濃縮を一切行わず、大豆を独自の乳酸菌で発酵させて作ったエクオールを配合。急に体調が変化したり、ゆらぎがちな更年期女性の健康や美容をサポートします。

発酵大豆イソフラボン エクオール|小林製薬

 

小林製薬_エクオール

出典:発酵大豆イソフラボン エクオール 製品情報|小林製薬株式会社

 

大豆イソフラボンを発酵させて作ったエクオールをはじめ、ブラックコホシュなどのハーブやポリフェノールの一種であるヘスペリジンなどを配合し、乱れやすい女性の体のバランスを整えてくれます。年齢を重ねても元気と若々しさを保ちたい方へ。

 

サプリに頼り過ぎるのはNG!正しい食生活が基本

食事_女性いくらサプリメントを摂っても、生活習慣が乱れていて体の調子が整っていなければ、十分な効果は得られません。まずは毎日の食事や生活習慣を整えることが基本です。(更年期障害を和らげるために心がけたい4つの生活習慣)その上で、不足しがちな栄養素はサプリメントで補うようにしてください。また、サプリメントの過剰摂取は体調を悪化させたり、副作用の恐れもあるので十分に注意すること。サプリメントを上手に活用して、更年期を健やかに乗り切りましょう。

 

 

 

<参考>
池下育子・野末悦子監修『女性の医学百科』主婦の友社、2004年
石河亜紀子ほか監修『からだのことがよくわかる女性の医学』池田書店、2005年
中村理英子『最新版 更年期からのクリニック』主婦と生活社、2004年